幸せなのは、金持ち?貧乏?
ある日、大変なお金持ちが、息子を連れて田舎へ行きました。
息子に、世の中の人々が
実際にどれほど貧しいのかを見せようと思ったのです。
そしてその父親と息子は、
田舎の大変に貧しい農家で数日を過ごしました。
田舎での滞在を終えて帰る道中、
父親は息子に「どうだ?」と尋ねました。
「とってもよかったよ、お父さん」
「どんなに貧しいか、わかったかい?」と父親が聞きました。
「そうだね。よくわかったよ」と息子は答えました。
「おまえはこの旅で何がわかったんだい?」
息子はこう答えました。
「僕たちの家には犬が1匹しかいないけど、あの農家には4匹いたよ」
「僕たちの家には、庭の真ん中までのプールがあるけど、
あの人たちのところには、どこまでも続く川があるんだね」
「僕たちは輸入したランタンを庭に下げているけど、
あの人たちのところには夜、満天の星空があるんだね」
「僕たちは、小さな地面に住んでるけど、
あの人たちの住んでいるところは、見えないぐらい遠くまで広がっているんだね」
「僕たちには、僕たちに奉仕する召使いがいるけど、
あの人たちは、他の人たちに奉仕しているんだね」
「僕たちは自分たちの食べ物を買うけど、
あの人たちは自分たちの食べ物を育てているんだね」
「僕たちの家の周りには、僕たちを守るための壁があるけど、
あの人たちには守ってくれる友だちがいるんだね」
息子の返事に、父親は言葉を失いました。
そして、息子はこう言いました。
「お父さん、僕たちがどんなに貧しいかを見せてくれてありがとう」
世界がもし100人の村だったら(3(たべもの編))