感謝
鹿児島であるお寺の住職さんがこう言った。
「私はいつもこれが最後だと思っているんです」
「最後?」
「はい、あなたにお茶を注がせていただくのはきっと最後。
だから、心を込めて入れさせていただきます。
もしも、よろしければ、
今回の人生でお茶を飲むのは最後だと思って飲んで下さい」
そう言われるとお茶の飲み方が変わった。
においを楽しみ、色の美しさに感動し、
味をしっかり噛み締めながら飲んだ。
お茶を一口飲むだけで、
幸せがゆっくり体の中に広がっていく感じがした。
それが人生で一番おいしいお茶だった。
私達、はこうやって、意識をしない事で
幸せを放棄してる事がいっぱいあると思う。
目の前に子どもと一緒でいれるのは
今日が最後かもしれない。
旦那さんが会社に行くけど、
「いってらっしゃい」と言えるのは今日が最後かもしれない。
今日という一日が最後かもしれない。
私達はきっと明日もあると思ってるし、
来年も生きてると思っている。
ひょっとしたら20年とか、
30年とかにも生きてると思っている。
それが当たり前だと思っている。
当たり前と思った時、人は感謝を放棄する。
本当にそれは当たり前なんだろうか?
奥さんがご飯を作ってくれる、
お母さんがご飯や弁当を作ってくれる。
それを当たり前と決めつけたのは誰なんだろうか?
今日は人生最後の日。
そんな気持ちで一日を過ごしたら、
今日の雨も愛おしくてしょうがないかもしれない。
今日も最高の一日を自分に、
自分の周りに、
そして遠く離れた人に、
そして世界に届けよう。
「愛してるよ~」「感謝してま~す」